持続可能な環境にやさしいエコ素材でタペストリーを作ろう!
タペストリーの素材には石油系の原料を元に作られているものが多いのですが、タペストリーとして使われたあとは、産業廃棄物として処分されることが大半です。しかし近年のSDGsへの関心の高まりの中、使用後のリサイクルまで考えられたとてもエコな素材も登場していますので、ご紹介したいと思います。
街中にあふれるタペストリー、その行き着く先は?
街中には、お店のディスプレイやイベントで使用されるタペストリーや横断幕があふれかえっています。
これらは掲示が終わったあとは、どう処理されているのでしょうか?
タペストリーや横断幕に使用されているシートは、主にプラスチック樹脂からできているのですが、そのほとんどが単体のプラスチック樹脂ではなく、複数のプラスチック樹脂で出来ており、リサイクルすることが難しいのです。
そのため、その多くは産業廃棄物扱いで埋め立て処理されています。
リサイクルできないことも問題ですが、もし屋外に放置されれば紫外線の影響で劣化し、環境汚染として問題になっているマイクロプラスチックを生み出してしまう元となることも考えられます。
タペストリーなどを発注する企業様にも、それを作る当社のような企業にとっても、環境意識の高まりの中、リサイクルへの取り組みは急務になってきました。
ついにできたエコなディスプレイ素材
インクジェット用メディアなどを製造販売するニチエ株式会社から、エコなインクジェット用クロスが発売されました。
水性防炎リサイクルクロス《NIJ-RF220P》です。
このクロスの原料として使われているのは、リサイクルされたPET=ポリエチレンテレフタレートです。
廃棄回収されたPETボトルをリサイクル工場で再ペレット化し、100%リサイクルの原糸を作り、この原糸から出来たとてもエコなインクジェット用クロスです。
厚みがあり丈夫で、タペストリーなどに最適の素材です。
また発色性がとても優れており、学会ポスターなどによく使われる布製のポスターとしてもとても適しています。
このインクジェット用クロスは日本防炎協会の防炎認定も取得していますので、防炎認定製品であることが必要な展示会やイベントのディスプレイとしての需要も見込めます。
さらに使用後は固形燃料に
この回収されたPETボトルから作られたエコなインクジェット用クロスですが、タペストリーなどのディスプレイとして使用されたあと、産業廃棄物として従来の製品同様に埋め立て処理される必要があり、マイクロプラスチック化による海洋汚染なども懸念されてしまいます。
そこで、製造元のニチエ株式会社では、さらなるリサイクルとして、このタペストリーなどに使用された製品を回収し、RPF*固形燃料化するという サーマルリサイクル への取り組みを始めています。
※RPFとは RefusePaper and Plastics Fuelの略で、再材料化のリサイクルが困難な廃プラスチック類などを主な原料とした固形燃料です。
RPFは、廃プラスチックを使用しているため熱量が高く、石炭などの化石燃料の代わりとして使用され、総合的に石炭より30%程度のCO2排出低減効果があるといわれています。
PETボトルをリサイクルしてできたインクジェット用クロスが、使用された後に回収されて、サーマルリサイクル用の固形燃料として生まれ変わる。
まさに循環型の環境対応製品と言えます。
※回収されRPF化できるのは、シートのみとなり、タペストリー加工に取り付けられたタペストリーパイプや取り付けロープ、ハトメなどは取り外す必要があります。
→外部参考ページ)JAPAN SDGS ACTION PLATFORM
最後に
今回はニチエ株式会社から発売されたエコなインクジェット用メディアをご紹介させていただきました。
素材の製造からディスプレイとしての使用後までを考えた環境に配慮したインクジェット用クロスですが、サイビッグネットでは現在商品化に取り組んでいるところです。
環境に配慮した新素材は、これからも次々と開発され販売されると思いますが、当社としても、より環境への負荷を減らす新素材を使った商品開発を今後も続けて参りたいと思います。